くるま

我が家に新しい車がやってきた。
父はうはうはで、
「乗らせてあげようか」
と言ってきた。

私はちょっと社交辞令もまじえつつ
「乗せてもらおっかな」
と言ってそそくさと着替え車に乗る支度をした。


父と二人で家を出ようとした時、
父のズボンのチャックが開いていたので
「お父さん、チャック開いてる」
と注意したところ
「チャク あき子」
むりやりな名前をつけはった。

それにあんたは「あき夫」だろう。


絶好調な父は上機嫌で助手席で自慢をしてくれた。